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疲れやすい、寒い、むくむ 女性に多い甲状腺機能低下症の症状と原因 2026/09/14

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの産生や分泌が低下し、全身の代謝が落ちる病気です。疲れやすい、寒がりになった、体重が増えた、むくみや便秘があるなど、日常的にも起こりやすい症状が多いため、病気に気づきにくいことがあります。女性では月経の変化がみられることもあります。ここでは、甲状腺機能低下症の主な症状や原因、受診を考える目安について紹介します。

甲状腺機能低下症とは

甲状腺は首の前側にある器官で、全身の代謝やエネルギーの利用などに関わる甲状腺ホルモンを作っています。この甲状腺ホルモンが不足した状態が甲状腺機能低下症です。日本甲状腺学会の診断ガイドラインでは、原発性甲状腺機能低下症について、遊離T4(FT4)の低値と甲状腺刺激ホルモン(TSH)の高値が主な検査所見とされています。

甲状腺機能低下症の原因として代表的なのが、慢性甲状腺炎(橋本病)です。ただし、甲状腺の手術や放射性ヨウ素治療、薬剤、ヨウ素の摂取量、下垂体や視床下部の病気など、さまざまな原因があります。

また、橋本病があっても、必ず甲状腺機能低下症になるわけではありません。甲状腺機能が正常な場合もあり、検査結果や症状を踏まえて判断する必要があります。

甲状腺機能低下症にはどんな症状がある?

甲状腺機能低下症では、代謝が低下することで全身にさまざまな症状が現れます。症状は少しずつ現れることもあり、「年齢のせい」「疲れがたまっているだけ」と考えてしまうことがあります。

代表的な症状には、次のようなものがあります。

  • 疲れやすい、だるい
  • 寒さを感じやすくなる
  • 体重が増える
  • 顔やまぶたがむくむ
  • 便秘になる
  • 眠気が強くなる
  • 動作がゆっくりになる
  • 集中しにくくなる、物忘れが気になる
  • 肌が乾燥する
  • 声がかすれる
  • 気分が落ち込む

これらは甲状腺機能低下症でみられる代表的な症状ですが、症状だけで診断することはできません。日本甲状腺学会の診断ガイドラインでも、こうした臨床症状に加えて血液検査による甲状腺ホルモンの確認が診断に用いられています。

女性にみられる甲状腺機能低下症の症状

女性では、甲状腺機能低下症に伴って月経に変化がみられることがあります。月経量が増える、月経周期が乱れるなどの変化がある場合は、甲状腺機能だけでなく婦人科領域の病気なども含めて原因を調べることが大切です。

また、甲状腺機能低下症は妊娠や出産の時期にも注意が必要です。妊娠を希望している場合や妊娠中に甲状腺機能の異常を指摘された場合は、自己判断せず主治医に相談しましょう。

甲状腺機能低下症の主な原因は橋本病

甲状腺機能低下症の原因のひとつとして、慢性甲状腺炎(橋本病)が知られています。橋本病は自己免疫疾患の一つで、免疫の働きによって甲状腺に慢性的な炎症が起こります。

日本甲状腺学会の診断ガイドラインでは、橋本病は原発性甲状腺機能低下症の原因疾患として最も多いとされています。橋本病の検査では、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)や抗サイログロブリン抗体(TgAb)などの自己抗体が確認されることがあります。

ただし、甲状腺機能低下症の原因は橋本病だけではありません。甲状腺の治療歴や服用している薬、ヨウ素の摂取状況なども診断の際に確認されます。

甲状腺機能低下症が疑われるときの検査

甲状腺機能低下症が疑われる場合は、まず血液検査で甲状腺ホルモンの状態を確認します。

主に確認するのは、FT4とTSHです。原発性甲状腺機能低下症では、FT4が低く、TSHが高くなることが典型的な検査所見です。必要に応じてFT3や甲状腺自己抗体などを調べることもあります。

また、甲状腺の腫れがある場合や原因を詳しく調べる必要がある場合には、甲状腺超音波検査などが行われることがあります。

検査結果は年齢や妊娠の有無、ほかの病気や服用薬などによっても解釈が異なるため、数値だけを見て自己判断しないようにしましょう。

甲状腺機能低下症の治療方法

甲状腺機能低下症の治療では、不足している甲状腺ホルモンを補う治療が一般的です。代表的なのが、甲状腺ホルモン製剤であるレボチロキシン(T4製剤)です。

必要な薬の量は、甲状腺機能や年齢、持病、妊娠の有無などによって異なります。治療を開始した後も血液検査でTSHやFT4などを確認しながら、医師が薬の量を調整します。

症状が改善したからといって、自己判断で薬を中止するのは避けましょう。薬を減らしたり中止したりする場合は、検査結果を確認したうえで医師と相談することが大切です。

また、甲状腺機能低下症の原因によっては、一時的に甲状腺機能が低下している場合もあります。出産後やヨウ素の摂取量などが関係するケースもあるため、原因を確認して治療方針を決める必要があります。

こんな症状が続くときは受診を

甲状腺機能低下症の症状には、疲労感や眠気、体重増加、便秘など、ほかの病気や生活習慣でも起こるものが多くあります。そのため、症状が一つあるだけで甲状腺機能低下症と判断することはできません。

一方で、複数の症状が重なっている場合や、以前にはなかった変化が続いている場合は、一度医療機関で相談するとよいでしょう。

特に次のような変化がある場合は、受診を検討してください。

  • 疲れやだるさが長く続いている
  • 寒さを以前より強く感じる
  • 食事量が変わらないのに体重が増えている
  • 顔やまぶたのむくみが続いている
  • 便秘が慢性化している
  • 月経量や月経周期に変化がある
  • 強い眠気や無気力が続いている
  • 首の前側が腫れている

甲状腺機能低下症が疑われる場合は、内科や内分泌内科などで相談できます。首の腫れや甲状腺に関する症状が気になる場合は、甲状腺を専門とする医療機関を受診する方法もあります。

特に妊娠を希望している場合、妊娠中、産後に体調の変化が続いている場合は、甲状腺機能について医師に相談することが大切です。

おわりに:気になる症状が重なるときは甲状腺機能を確認しよう

甲状腺機能低下症では、疲れやすい、寒がりになる、体重が増える、むくむ、便秘になる、眠気が強くなるなど、日常生活で起こりやすい症状がみられます。女性では月経の変化がみられることもあります。

原因としては橋本病が代表的ですが、甲状腺の治療歴や薬剤、ヨウ素の摂取状況などが関係する場合もあります。症状だけでは判断できないため、必要に応じて血液検査などで甲状腺の状態を確認します。

複数の症状が重なっている、以前と比べて体調が変化した状態が続いている、首の腫れが気になるといった場合は、自己判断で済ませず医療機関に相談しましょう。特に妊娠を希望している人や妊娠・出産後に気になる症状がある人は、早めに相談することが大切です。

参考記事:医療情報メディアmedicommi記事リンクはこちら

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